事業再構築補助金の申請で悩んだことメモ

 土壇場で急遽締切が延長された事業再構築補助金の1次公募がそろそろ終了しますが、初めて尽くしということもあり、我々専門家の間でも戸惑ったり判断がつかないケースが結構ありました。

 最も戸惑ったのは、多くの方も同様と思いますが、「コロナ以前に比べて売上高が減少したことを示す書類」で、「申請に用いる任意の3ヶ月(2020年又は2021年)の売上がわかる確定申告書別表一の控え」「上記の確定申告書と同年度の法人事業概況説明書の控え(両面)」について、決算が終わっていないケースの対応です。
結論から言うと、それぞれの添付書類は両方とも「該当期間の売上がわかる試算表等」でOKで、まったく同じもので良いということです。ただし、電子申請フォームの仕様で同じファイル名では登録できないため、ファイル名を変更して登録する必要があります。

 基本的に3月決算の企業が多いと思われるため、この問題に直面してコールセンターに問い合わせた方は多かったのではないでしょうか?
 なお、決算が済んでいる企業でも、稀に法人事業概況説明書の2枚目に月次の売上が記録されていないケースがありますが、この場合は概況説明書では証憑にならないことになりますので、月次試算表等を追加で登録する必要があります。

 もう一つ、要不要で悩んだのが補助対象経費理由書です。これも結論から言うと、建物費や機械装置・システム構築費に過半の費用を計上していれば提出する必要はないです。
 しかしながら、公募要領の20ページには「資産性のない経費のみを計上する事業や、1つの経費区分だけに大半の経費を計上する事業等、特段の事由がある場合には、応募申請時に、その理由を明らかにした理由書を添付書類に追加して提出」と記載されています。当社がご支援したケースで、建物費にほとんどの費用を計上するケースがあったのですが、「1つの経費区分だけに大半の経費を計上する事業等」に該当するのか否か迷いました。

 コールセンターに確認したところ、資産性のある経費ではあるが「1つの経費区分だけに大半の経費を計上する事業等」に該当するということで理由書を出すよう言われたため作成したのですが、実際の申請画面では添付フォームがグレーアウトしており、提出の必要はありませんでした。添付書類をアップロードする画面は一番最後なので、その前に補助対象経費欄の入力が終了していることから、その入力結果に基づいて、理由書が必要な事業者だけに添付フォームがアクティブになる仕組みになっているようです。また、これも当社がご支援したケースで、技術導入費に過半を計上した計画があったのですが、一般的には特許使用権等は資産性のある経費と考えられるため理由書は不要かと思いきや、この場合は理由書が必要でした。
 これは公募要領の説明の仕方を改善してほしいところです。「建物費や機械装置・システム構築費以外の経費が過半を占める場合は理由書を提出」と書いてくれれば事足ります。

 細かい点では他にも色々とあったのですが、上記のように多くの事業者が悩みそうな点については、2次公募以降のFAQでアップデートを期待したいところです。