不動産業界向け第三者承継のセミナー講師として登壇しました

8月30日に、公益社団法人神奈川県宅地建物取引業協会の横浜中央支部が主催したセミナーで講師を務めました。テーマは事業承継で、仲間の中小企業診断士の方と2人で、前半は内部に後継者がいるケース、後半は第三者承継という構成で実施しました。私は後半を担当し、主に小規模M&Aについてお話しさせていただきました。

宅建協会様の主催ということで、参加者はもちろん不動産業の方々で、地域に根差して事業を展開されている事業者様が多かったようです。コロナ禍の折、リアル会場も用意されていたものの、ほとんどの方はオンライン参加というスタイルで実施されました。

不動産取引業は許認可事業であり、特に地域密着型の場合は長年築いてきた地域内ネットワーク等が重要な経営資源になるため、M&Aを活用して参入するといったニーズは高いと考えられます。また、許認可の観点で言えば、免許の更新番号が大きい数字だと長年の信用があるといったイメージにつながりやすいためか、更新番号の大きい事業者は小規模M&Aでは注目されやすいといった業界ならではの観点もあったりします。

セミナーでは、小規模事業者が第三者承継を考える時、「どこに相談すればよいのか」「譲渡価格ってどうやってきまるのか」「実際にどんなプロセスで進めていくのか」等を中心にお話させていただきましたが、本当に大事なのは「中期的な視点で、選択肢の多い状況のうちに将来をじっくり考えること」です。会社の今後を考えた時にM&Aはあくまで一つの選択肢にしか過ぎないので、「もうM&Aしか無い」という状況は望ましくありません。後継者人材の育成も含めて、事業承継は5年10年の計として取り組んでいくことが肝要です。