中小PMI支援に向けて中小企業庁と中小企業診断協会が連携

中小企業の事業承継・引継ぎ支援に向けて、中小企業庁と中小企業診断協会が連携するというリリースが出ました。中小・小規模事業者が行うM&AにおけるPMIをはじめとする事業承継・引継ぎに対する支援について両者で連携して対応を強化していくという内容です。

中小企業に限らず、M&Aでは実施後の統合作業(これをPMI= Post Merger Integrationと言います)はM&Aの成否を握る重要なプロセスと言われています。つまり、M&Aが成果を収めるか否かは、まさにPMIがうまくいくかどうかにかかっています。

このように非常に重要なプロセスであるにもかかわらず、特に中小企業のM&Aでは、あまりこのプロセスがしっかり考えられていないケースが多く、また支援する人も少ないことが問題点として意識されているようです。

近年、中小・小規模事業者同士のM&Aが増えており、M&Aのマッチングや契約・クロージングまでのところは支援者も増え、公的なサポートも充実してきていますが、その後の統合作業のところは民間でも支援者が少ないため、ある程度は官主導で環境を整えようという趣旨かと思われます。

そこで白羽の矢が立ったのが中小企業診断士ということで、これをPMI支援者として育成していこうとの構想のようなので、診断士業界の立場に立てば大きな期待を受けて喜ばしいということなのかもしれませんが、実際のところ、そうした専門家を目論見通り増やせるかは、なかなか難易度の高いチャレンジになるでしょう。診断士はおろか、士業だからできるという種類の仕事でもなく、ほとんど人間力に依存することも多い仕事だと思うからです。

とはいえ、中小M&AがPMIの失敗でうまくいかないケース等、国の課題認識自体はその通りだと思うので、M&Aを良い結果につなげていくための支援ができるよう、当社においても精進していかなければと改めて思い直した次第です。

<経済産業省ニュースリリース>

中小企業の事業承継・引継ぎ支援に向けた 中小企業庁と一般社団法人中小企業診断協会の連携について