事業再構築補助金の続報

中小企業の方々の関心が高い事業再構築補助金ですが、3月に予定されている公募開始に向けて、色々とアップデート情報が出てきています。まずは事務局がパソナさんに決定(2月12日経産省発表)したようですね。

また、2月4日に更新された経産省のWebページ(緊急事態宣言の再発令に伴う経産省の支援措置について)によると、事業再構築補助金に新たに特別枠が設定されるようです。その名も緊急事態宣言特別枠。従来の申請要件に加えて、緊急事態宣言の影響で今年1~3月のいずれかの月の売上が前年または前々年の同月比で30%以上減少している場合に対象になるようです。

従業員規模によって補助限度額が設定されており、5人以下なら500万円、6〜20人なら1000万円、21人以上なら1500万円となっています。また、補助率も、中小企業なら3/4まで引き上げられています。その他に重要なポイントとしては、「通常枠より迅速な審査・採択を行う(特別枠で不採択でも通常枠で再審査可能)」という点でしょう。

実務的なフローとしてどうなるのかは公募要領を待つしかありませんが、一つ心配なのが事務局負担の増加による混乱です。昔、私も補助金等の審査業務に関わったことがあるのですが、応募数のうち一部だけ先行審査を行うというのは、事務局の負担はかなり大きくなるだろうなと思います。今回の発表が、どのくらいオペレーション面を煮詰めての発表かはわかりませんが、昨年のコロナ対策絡みの支援策では、急ごしらえの事業スキームが故に現場が追い付かないというケースがかなり見受けられました。例えば、昨春の東京都の感染拡大防止協力金では支給が大幅に遅れたということがありましたし、国の小規模事業者持続化補助金でも、昨秋以降の締切分については通常よりも2か月以上採択が遅れたケースも発生しています。

補助事業者(応募者)にとっては早く結果が分かるのはありがたいことではありますが、事務側の整備もしっかり手当てしておいてほしいところです。せっかくの「迅速」が掛け声倒れにならないよう祈るばかりです。

<追記>

事業再構築補助金について、またアップデート情報が発表されました。新たに明らかになったポイントは以下の通りです。

  • 事業再構築に係る事業計画を認定経営革新等支援機関と策定するのは従来発表通りですが、「補助金額が3,000万円を超える案件は金融機関(銀行、信金、ファンド等)も参加して策定する」という要件が発表されました。
  • 緊急事態宣言特別枠関連について、通常枠としての加点措置と、補助率を引き上げた特別枠の2種類の措置が明示されました。
  • 特別枠に申請して不採択になったとしても、通常枠で加点措置が受けられます。この仕組みは昨年のものづくり補助金で採用されていた仕組みと同様と思われます。
  • 事前着手承認制度があり、今年の2月15日以降の発生経費であれば、交付決定前に支出した経費でも補助対象になり得るようです。